会社にお金が残らない理由

ササゴイ 撮影YT氏

【今回の推薦本】

 岡本史郎著「図解 会社にお金が残らない本当の理由」。岡本さんの本は、偶に読みます。税理士らしくない税理士という意味で、なんか通じるところがあるからです。もっとも岡本史郎さんの本はベストセラーで、私は足下ににも及びません。さてこの本ですが作者のデビュー作の続編です。ただ、私として前作の方ができはいいと思います。

猿の惑星」や「ロッキー」に似て、1作目の出来がいいと、その印象が強すぎるためでしょうか。

 じゃあなぜ推薦本にするかというと、次の一節に共感したからです。作者は、私のブログでも時折触れている「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」について次のように述べています。(以下、多少長いですが同書の引用です)

「今回の増税には論理性なんてありません。そこには、うるさく言わない奴からならカンタンに税金は取れるな・・・。という国の気持ちがミエミエです。 先述のサラーリーマン増税では、給与所得者の全員から、給与所得控除額の多すぎる部分を削って、給与所得者全員に少しずつ税金を負担してもらおうというものでした。

 それを、国は一部の中小企業にのみ、給与所得控除額の全額についての税金の負担を求めてきたのです。

 みんなで少しずつ負担すべき構造的欠陥を、サイレントな中小企業にだけ押しつけてきた。それも少しずつではなく全額の負担をです。

 こんな無茶なことが許されるのでしょうか」

 岡本さんは偉い。流石、ベストセラーを出す人は視点が違います。こういう人が政府税調とか党税調にいないのが悲しいですね。

 もともと田中角栄さんが、給与所得控除額を極端に高くしたのが、問題の始まりでした。それを、なんで中小の法人税で調整しようとするのでしょうか。昔は、こんな税制改正は通らなかったと思います。小泉劇場は、思わぬ置き土産を残しました。でも悪法でも法は法。それ以上に儲けるしかないのがつらいところです。今回は、これでスペースがなくなってしまいました。

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