業績評価とは

アカハジロ 撮影YT氏

 10月5日に紹介の稲盛和夫さんの「アメーバ経営」を読むと、業績評価がよくわかります。アメーバ経営とは、業績評価の仕組みそのものだからです。

 計画を立て、実績を把握する仕組みが業績評価ですが、業績を評価するには、その評価単位が採算単位でないと結果を数字で出すことはできません。その事業や部門が、あたかもひとつの会社であるかのように想定するのが業績評価です。

 人は感情の動物です。業績評価に必要なのは公平な基準なのですが、公平とは「正義」という言葉に似て、立場によって随分と違ってしまうのが悩みのタネです。北朝鮮は核を持つことが正義だといい、アメリカは大国のみが核を持つのが正義だと主張するのと似てます。どちらにも核は持ってほしくない、というのが日本の立場ですが、話し合いで解決するのは難しいのが現実です。

 業績評価に話を戻すと、どこの会社でも販売と生産は仲が悪い傾向があります。販売は「生産のコストが高く、売れるときに必要数量が生産できないから売れない」といい、生産は「販売が計画通り売らないから生産数量が変動して無理な生産計画になる、販売価格が安いのは販売部門の所為なのに無理なコストダウンを要求する」といいます。

 両者の言い分を聞いて、公平な業績評価基準をつくるのは、経理や人事の仕事ですが、どちらかに肩入れしがちなのが現実です。

【今回の推薦本】

 高橋篤著「粉飾の論理」。まだ読んでる最中ですが、この本を読むとカネボウやメディアリンクスなどの経済事件の構造がよく分かります。メディアリンクスの資金を創るための手法「グルグル回し」には笑ってしまいましたが、その後の結末は空恐ろしいものでした。お金って怖いです。

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