ここが変だよストックオプション税制

シロチドリ 撮影YT氏

 ストックオプション制度とは、会社が取締役や従業員に対して、予め定められた価額で会社の株式を取得することのできる権利を付与する一種のインセンティブ制度です。

取締役や従業員は将来、株価が上昇した時点で権利行使を行い、株式を取得し、株価上昇分の報酬を得ます。

 最近は、ストックオプションによって得られた経済的利益は給与所得とされる税務上の取扱が定着してきています。

 ところが、これが私には、どうも納得できないのです。新株予約権の発行は大きく分類すると有償による発行と無償による発行(ストックオプション)に区分され、税務上の取扱は下記のようになっています。

1通常(有償による)の新株予約権
①取得時 有価証券(新株予約権)の取得
②権利行使時 課税関係なし
③株式譲渡時 有価証券の譲渡所得(措法37の10)


新株予約権の有利発行(いわゆるストックオプション
①取得時 課税関係なし(所令84三)
②権利行使時 経済的利益に対して課税(給与所得など)
③株式譲渡時 有価証券の譲渡所得(措法37の10)

 つまり同じ新株予約権の取得なのに有償なら有価証券の取得で無償なら取得ではない、ということになってしまっているわけです。

(結果的にストックオプションならアウトで有償ならセーフということです。)

 本来でしたら、無償でも取得時に課税すべきで、無償で経済的利益がないということなら、無償で有価証券を取得したと考えるべきではないでしょうか?

【今回の推薦本】
大前研一「企業参謀」。1975出版の新装版です。若い頃読みあさりました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833416948/qid=1133310233/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/250-3574718-4318638

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