会計と税法は仮面夫婦

ニホンザル 撮影YT氏

 会社の貸借対照表は、資産・負債・資本から構成されています。
ごく単純化して表現すると、資産とは現金や将来現金に換えることができるもの。
負債は将来現金で支払わなければいけないもの。
資本は資産と負債の差額で会社を止めたときに現金として残るはずの金額です。

 普通の会社では、負債は大抵実際に支払わなければならない金額に一致します。
企業年金のように隠れ負債の問題もありますが・・・・。)
資本は資産と負債の差額ですので問題はありません。
この3つの区分のうち、とかく充てにならないのが資産です。

 よく人にお金を貸してはいけない。
貸すときは戻ってこないものと覚悟して貸しなさい。という人がいます。
会社にも個人の突き合いと同じことが起こって、商品を売ったのに払ってもらえなかったり、お金を貸して返してもらえなかったり、投資して損をしたりと、様々な経済現象が起きるためです。

 そのため最近の公開会社の会計基準は、資産をできるだけ現在の経済的価値で評価する傾向にあります。
それが金融商品時価会計、固定資産の減損会計などです。

 税務は、あくまで「歳入確保」と「課税の公平のための恣意性を排除」する傾向にあるため、取得価額が原則になっています。

会計と税務、両者の関係は乖離する一方です。

これを私は、会計と税法は経済的理由で別れることができず、家庭内別居を続ける仮面夫婦状態である、と説明しています。

(えっ、くだらない?)

【今回の推薦本】

別冊宝島編集部編 続「現代ニッポン裏ビジネス」。偶にはこんなん読みます。

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