月次決算 上には上が

 外資系のアカウティングファームに勤務していた頃の話です。
 私は今も昔も、かなりせっかちです。月ごとに決算を組むことを月次決算といいます。せっかちな私は、お客様には月末10日以内に決算を締めるようにお願いしています。

 あるときアメリカメーカーの日本現地法人から依頼があり、経理の立上を担当することになりました。今まで何社も立上支援はしてきたのですが、いつも心配なことがひとつあります。私は英語が弱く本社と交渉することができないのです。

 メーカーの経理は複雑です。それでも何とか立ち上げ、マンスリーレポートを提出できるようになりました。

 ある日会社に訪問すると社長(社長は日本人です)から相談があります。
社長「先生、本社のCEO(経理の最高責任者)がスーザンという女性なんですが、月次レポートが遅い。3日以内に出せというんですよ。」
私「え〜!それは無理ですよ。だって前月の請求書も揃わないじゃないですか。アメリカとは商慣行が違うんだから、事情を説明してもう少し時間をもらってください。」
とお願いです。

 さて翌月の巡回です。
私「月次レポートの提出の件はどうなりました?」
社長「一言でいわれました。“ワールドワイド オンリイ ワンデイズジョブ
(world-wide only oneday's job 世界中どこでも1日で仕上げる仕事だ)”だって」
私「・・・・・。う〜ん。」

 でも実は外資系ではよくある話です。
どう解決するかは、企業秘密ですが・・・。

【今回の推薦本】
 マンガの『ドラゴン桜』売れてます。ドラマにもなりました。戦略的で実践的で、こういううマンガは大好きです。ただいつの時代でも〝分かる〟と〝できる〟は違うんですよね・・。
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